こんにちは、こあべです。
今回は、「家庭にもに優しい学び」を見据えた教育とお金の話。
4月から大学に入学し、実家を離れる子を送り出す方も多いのではないでしょうか。
そして、今後我が子を大学に送り出す方の中には5月から始まる奨学金の「予約採用」を活用する方も多いはず。
そんな新生活を始めるにあたり、まず考えること…
「一人暮らしの大学生活、どんだけお金かかるん?」
今回はこあべなりに「私立文系大学生のひとり暮らし」を想定し、
「ひとり暮らし “させる“ コスト」決定までの道筋を両親目線で考えます。
今日のメニュー!
1.送りたい学生生活像を描いてみる
大学進学前から「どんな生活を送りたい?」という白地図を描くことから始まる壮大なプロジェクト。
お子さんと両親の望む学生生活をすり合わせるところから物語は始まります。
2.4年間の費用負担を「1000万円」と仮定して考える
【1年目】
一時的な支出
・大学入学関係費:入学金+学費等各種費用
・引っ越し関係費用:入居手数料、仲介手数料
・生活構築費用:家具・家電購入費用
継続的な支出
・賠償責任補償など賃貸借契約書に規定された保険加入費用
・家賃(月間)、契約更新費用(地域によって異なる)
・生活費用:水道光熱費、食費(外食を想定)、交際費などの変動費
・
・
・
【4年間推計】
・入学金・学費・学用品の購入・別納資格試験、プログラム費用:460万円
・住居関係費用:290万円
50(手数料、敷礼、保険、引っ越し)+240万円(家賃想定 5万円×48ヶ月)
・生活家電、耐久消費財:20万円
・生活費用:480万円(10万円×48ヶ月・含む光熱通信費)
ざっと計算して1250万円
収入(アルバイト):240万円(月5万円×48ヶ月)
差し引き約1000万円
ひとり暮らしの初期費用と月々費用を1ヶ月あたりの費用を送り出した側の家計支出として均してみると、その金額は単純計算で約21万円。
この費用を負担できる源泉を確保できるかどうかが進学費用の自己負担ができるかどうかの分水嶺になりそうです。
参考:
私大文系・下宿で卒業まで1,000万円超、人気大学学費一覧と調達法 | リセマム
3.家計と資産を洗い出す
この費用負担余力が果たして家計にあるのか?
家計や資産の洗い出しが必要です。
・現在の収支の把握
・保有資産(現金、有価証券)の把握
※「資産」とは流動性のあるものを対象とし、換金性の低い不動産等は加味しない
このふたつを算出し、月々の収入と保有資産の積み下ろし金額を試算していきます。
例えば…
の家族の場合…
・月々使用可能な生活費: 33万円
・月間支出引き去り後の金額:13万円(仕送り必要額:21万円)
・月間収入と差し引きすると8万円の不足
→月間8万円×48ヶ月 不足と仮定
すると、向こう4年間で384万円の取り崩しが発生すると見込まれます
その間の取り崩し先を試算に求めるか、外部資金に求めるかにより次のステップは変わってきそうです。
なおこの間、貯蓄はできないものと想定されるため、生活防衛費を割り込まない資金計画が必要です。
4.外部資金の活用(奨学金)について考える
3.までの項目を試算したうえで、保有する流動試算が生活防衛費(生活費6ヶ月分と想定:今回の例では120万円)を4年間で割り込むと想定される場合、奨学金の受け取りを検討するステージに入ります。
①奨学生として採用される受給資格を満たしていることを確認
②生活防衛費を割り込む金額を算出
②月々の受け取り必要額と卒業後の返済額を想定して申し込み
④出学後の返還支援を把握して長期での返還を見据えた判断を
※貸与奨学金の受給を希望する場合は、以下の現状確認と向こう10年以上の返済を見据えて意思決定する必要があります。
親が各金融期間と契約して返済する国の教育ローン (日本政策金融公庫) や、大学独自・自治体・民間企業・財団の公募奨学金、教育ローン、多目的ローンも選択肢。
「教育資金が足りない」場合でも取れる選択肢は多いのです。
最近では奨学金のDX化を担おうとするサービスも登場し、今後のニーズ拡大が普及の追い風となりそうです。
またアメリカでは、は受け取る奨学金によっては個人の「実績」として評価されるようです。
「奨学金受給実績は個人のステータスだ」という「将来の自分に出資してもらう」意識で外部資金を取りに行く、という意識を持つと奨学金のイメージが変わるかもしれません。
5.大学卒業後の奨学金返還を考える
出学後に返還支援制度を活用するのも合理的な判断ではないでしょうか。
地方自治体、企業による支援が行われているため、出学後に身を置く場所を判断する再の基準のひとつとするのも良さそう。
参考:
「奨学金」を活用した大学生等の地方定着の促進 - デジタル田園都市国家構想実現会議事務局
また、「一括返済しない」という選択肢もあります。
まとまったお金を一括返済に投入してしまうと、そのお金が働いてえられるはずだった利益を得られない「機会損失」が発生しがちです。
返還時の利率以上の資産収入を手元の現金が稼ぎ出すメリットを活用するのもひとつの手です。
まとめ
こあべ個人的には、ひとり暮らしは本人の大きな経験、資産になると考えています。
親との生計が別れる4年間で「家計を切り盛りする」経験ができ、自律的に生活する準備期間としても、ひとり暮らしを通して自分の生活に「ちょうど良さ」を発見できれば、卒業後の生活に資する経験として大変有意義だと思っています。
その経験を後押しするためには、送り出す側の資産把握と活用のノウハウ、金銭に対するアンテナの高さが要求されるのかなとも同時に感じます。
奨学金についても、自分の幸福やスキルを追求するためにお金を借りることは悪いことではない、という考えのもと、「借金は悪いもの」という固定観念を見直してみるいい機会にもなりそうです。
今後、高校3年生の学生さんが大学進学をするにあたり、判断の一助になれれば幸いです。
また、新しい情報や考え方を仕入れられた際には積極的に共有していきたい所存。
今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
【参考】
参考:
FPが教える!親子で学ぶ!進学にかかるお金と奨学金の話|日本FP協会
奨学金サイト「ガクシー」会員増、背景に「放置されてきた2つの課題」 | 東洋経済education×ICT | 変わる学びの、新しいチカラに。
進学に向けて「奨学金を利用しよう」と思ったら知っておきたいこと | 日本FP協会
大学・専門学校ごとに奨学金制度をチェック!『奨学金』はじめてナビ【スタディサプリ進路】
奨学金の返済に充てるための給付は「学資に充てるため給付される金品」に該当するか|国税庁