こんにちは.こあべです.
人生の契約百科、今回は「賃貸保証委託契約」をお送りします。
以前お送りした「賃貸借契約」の中に記載され、最近増えがちなこの契約。
私も結んでいることに気づき、更新料を納めていました。
自分が結んでいる契約を知り、出口でモメることなく退去できるな、と軽い気持ちで調べてみました。
…が。
これがなかなかの曲者なのでした…。
そんな今日のメニュー!
賃貸保証契約とは?
かんたんにいうと、
「賃貸借契約を結ぶ際に必要な連帯保証人の役割を賃貸保証会社にお願いして肩代わりしてもらう契約」。
です。
国内の核家族化、高齢化が進み、借主の
「連帯保証人になってくれる知り合いがいない」
「疎遠な親戚には言い辛い」
などのニーズを押さえて現れたサービスです。
サービス提供者としての保証会社ごとに様々なプランが用意され、家賃や退去時の原状回復費用を立て替えて支払うプランがスタンダード。
最近は、
連帯保証人+保証会社の契約が必要な物件
が増えているそう。
基本的に大家さんや不動産会社が賃貸保証会社を利用するかどうかを決めて賃貸借契約書に条件として盛り込みます。
滞納リスクを抑えるため、家賃支払いをカバーする連帯保証人と原状回復費用までを保証する賃貸保証契約を必須としているのでしょう。
なお、立て替え払いがあった後は保証会社へ返済が必要。
保証会社に借金をすることと同じなのです。
賃貸保証会社を少し深堀り
ひとくちに「保証会社」といっても、その中身を少しかじるだけでとても興味深いもの。
【系統別保証会社】
「信販系」信用情報を照会して厳しく審査する
「協会(LICC加盟)系」「全国賃貸保証業協会」に加盟している
「独立系」過去の延滞歴や事故歴を照会せず、独自の審査基準で審査
【家賃債務保証の2形式】
「収納代行型(支払委託型)」
賃貸保証会社が「家賃の収納(集金)を代わりに行い、滞納があった場合も自動的に大家さんの手元に支払われる」仕組み
「代位弁済型(一般保証型)」
滞納発覚後に家賃振込口座管理者が家賃債務保証会社に報告、滞納家賃分を代わりに支払うよう請求する仕組み
【賃貸保証大手4社】
※賃貸保証契約の7〜8割は大手四社が独占+その他200〜400社
保証の範囲は、会社やプランによってさまざま。
・家賃だけ保証するプラン
・共益費・管理費・駐車場代など毎月支払いのある費用も保証するプラン
・原状回復費用を含む修繕費用、損害賠償費用を保証するプラン
など。
賃貸保証会社を利用するメリットとは?
審査を経て賃貸保証会社と契約すると、もちろんメリットが考えられます。
・滞納時に家賃を肩代わりする義務が発生する連帯保証人を見つけなくてもよい
・収入が安定していない場合に部屋が借りやすくなる
・賃貸保証会社の加入で、敷金が減るケースがある
→賃貸保証会社が賃料滞納や原状回復費用なども保証するため、貸し手が余分な敷金を預かる必要がなくなるため
片や…
保証会社を利用するデメリット
メリットの反面、デメリットもしっかりあります。
・金銭的負担が増える
→ 賃貸物件を借りた時点での初回保証料(家賃の0.5〜1ヶ月分)の支払い
→ 1〜2年ごとの更新料の支払い(1年更新料1万円程度)
→支払い、返済が滞ると将来的な信用情報に傷がつき、活動に支障が出る
賃貸保証費用を安く抑えるポイント
今回の本題です。賃貸保証委託費用は下げることができるのか?
考えられる方法は以下のとおりです。
プランを理解し、保証範囲を限定する
自分には不要と思われる保証内容を外して費用節約
例:退去時の原状回復費用や鍵の交換代などを保証範囲から外す
※保証範囲を限定したい場合は大家、不動産会社に連絡して変更が可能かどうか確認が必要
保証契約+連帯保証人のダブル保証
上記の条件で保証料を安くしている保証会社との契約を目指す。
貸し手に相談・交渉をする
保証会社を利用する代わりに、礼金や家賃を値引きしてくれるか相談・交渉する。
保証契約を交わすことで家賃滞納リスクが減ったと感じる貸し手の気持ちを逆手に取った交渉で保証料ではなく、家賃の減額を目指す
連帯保証人のみで入居できる物件を探す
最近では「家賃保証会社利用可」という条件で賃貸物件を検索できるため、その条件を逆手に取って連帯保証人のみで入居できる物件を探してみる。
保証料は数年で10万円以上必要になることもも珍しくないため、手間をかける価値はありそうですね。。
まとめ:貸し手(大家さん)目線で物件を探す
「どういう人に入ってきてほしいか」というオーナー目線で物件や契約書面上の内容を見てみると、より少ない費用で入居する方法の一つになるのでは、と考えました。
大家さんがなぜ賃貸保証委託契約を結びたがるのか?
自分たちが入居したあとのリスクをどう感じるだろうか?
など問いかけ、貸し出す側の気持ちを慮る。
すると自然と交渉の方向性や自分たちに求められる振る舞いなどが見えてくると考えています。
特に、不動産についてよく情報をいただく
の2大投資情報サイトには、「借りる側」にも役立つオーナー心理が溢れています。
交渉のキーになる考え方や大家さんのリスク観…Win-Winになれる交渉のヒントが盛りだくさん。
…
「住みたい」という憧れや強い感情を持ちがちな住まい選び。
どうしても貸し手に足元を見られる「消費者」の立場になり、借り手が下手に出がちです。しまいがちです。
しかし、本当にそうでしょうか。
主張すべきは主張し、受け入れるべきはのむ。
本来借り手と貸し手は平等な関係で、交渉は対等な関係を象徴する行いです。
貸し手と借り手の気持ちの折り合いが付けば…
貸し手は安心して住んでもらうことができる。
借り手は安心できる条件で長く住むことができる。
本来そんなWin-Winの関係なのではないかなと思います。
コトのメリット・デメリット、入口と出口、三方良しの関係をしっかり意識して過ごしていきたいものだな、と「賃貸保証委託契約」を調べてみて思った、こあべでした。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【資料】
第2回 悪質保証会社からの請求にご注意【お金を"貯める"】 -両学長リベラルアーツ大学 YouTube
【激白】現役社員が「家賃保証会社」の実態を暴露、ヤバい家賃滞納者は〇〇が多い!?《覆面座談会 ~家賃保証会社編①~》 - 不動産投資の楽待 YouTube