こんにちは。こあべです。
「この春から新生活!」そんな方もおられるでしょうか。
今回は、【人生の契約百科】シリーズ賃貸借契約編!
賃貸住宅への引っ越しを検討される方が必ず結ばなければならない契約「賃貸借契約」。
契約内容を理解し、契約を結ぶまでの流れを知ることで、「こんなはずじゃなかった」「知らなかった」というトラブルのリスクを減らしつつ、お財布にも優しいチェックポイントをまとめてみました。
同契約を端的解説する、今回のメニュー!
そもそも賃貸借契約とは?
簡単にいうと…
貸主「部屋を貸すから、お金(賃料)をください」
+
使用者「契約終了後は部屋の返還を約束します」
という契約です。
2020年4月に民法が改正され、敷金の取り扱いや、賃貸借中の修繕に関する要件、退去時の原状回復の借主と貸主(大家さん)の負担割合など、これまでトラブルになりがちだった部分が明確化されました。
※参考
今回は、
集合住宅や一軒家などを借りる際に貸主との間に交わす「建物賃貸借契約(借家契約)」
+
契約期間終了後、手続き無しで自動更新となる「普通借家契約」
を前提として見ていきます。
予め契約書の確認ポイントを押さえておく理由
お気に入りの物件に入居するまでの流れは、
物件探し
不動産会社・大家への問合せ
内見
入居申し込み
入居審査
重要事項説明
賃貸借契約書を確認
借主と貸主が署名・捺印:契約
物件引き渡し
が一般的です。
そして、重要事項説明、賃貸借契約締結は 同じ日時にまとめて行われることが多い…
ということは…
確認すべきポイントを予め知って、その場で自分に不利な箇所を指摘できなければならない!
のです。
突然出された書類の内容を指摘しないままつい押印…
数年後の退出時にその時のことを後悔することのないよう、しっかり備える理由はここにあります。
契約上の登場人物と義務
契約で損しないためには、契約上の登場人物とそれぞれの負う義務、立場の違いを理解すると理解が早まります。
1.賃借人(私たち)
義務:
・家賃払うよ(賃料支払義務)
・契約したとおり、居住用に使うよ(使用法遵守義務)
・借りたモノを丁寧に扱うよ(善良な管理者の注意義務)
・きれいにして元通りにして退去するよ(収去・原状回復義務)
※通常使用による損耗や経年変化は除く
・契約した相手の間だけで使うよ(無断又貸し・借りる権利(債権)の譲渡不可…例外あり)
※賃借人は、賃貸人が修繕義務を履行しない場合は使用できない範囲で賃料の支払いを拒否できる(賃貸人の修繕義務不履行)
2.賃貸人(貸す側)
義務:
・部屋を使っていいよ(使用義務)
・家賃もらってるし修繕するよ(修繕義務)
※賃借人は、賃貸人の修繕行為を拒否することはできない
・修繕費を立替えてくれてたら返すよー(修繕費用返還義務)
→修繕・管理にかかる費用(必要費)は直ちに賃貸人に請求できる
→目的物の価値を向上させる修繕を賃借人が行った際の費用(有益費)は契約終了時に賃貸人に請求できる
なんとなく住んでいる今の部屋、こんな義務の履行が求められているんですね。
※この間に数え切れない関係者、関係機関がいますが、「賃貸借契約」をシンプルにするため、今回は登場を我慢してもらいます。
契約時に必要な書類
それぞれの登場人物の義務を成文化したのが、賃貸人との契約を締結するうえで必要な書類たち。
どんなものがあるか見てみます。
賃貸借契約書
賃貸物件を借りる・貸すのに直接的に必要な書類。
建物の概要や契約期間、賃料や貸主・借主の氏名、共益費、敷金、契約の解除・終了などの必要事項が記載。
こちらを両者が了承して記名・捺印すると、はじめて契約が成立します。
国土交通省が作成している「賃貸住宅標準契約書」で一般的なフォーマットを事前に確認できます。
重要事項説明書
宅地建物取引業者が取引を仲介する際に作成義務が課せられる書類。
借主に…建物の概要や水道・電気・ガス・下水などの整備状況、台所・トイレなど設備状況、契約解除・違約金、権利関係・法令上の利用制限などの説明のために作成。
不動産の専門知識を有さない借主が不利益を被らないよう、宅地建物取引主任者資格試験に合格・登録し、主任者証を交付された「宅地建物取引主任者」による説明の義務を負います。
収入証明書類
会社が発行する源泉徴収票、納税証明書、確定申告書の写しなど。
申し込みの段階で必要となることもあります。
住民票、印鑑証明書
住民票:入居者全員が記載されたもの
印鑑証明書:実印登録が必要
保証人関連書類
連帯保証人がいる場合、その承諾書や収入証明書類、住民票、印鑑証明書などの提出を求められることも。
などなど。
契約前に確認必須の項目
・原状回復など解約時の条件
・賃貸借契約書の「特約事項」
です。
特に特約事項は契約書上に記載されており、貸主側が「賃料で儲けたい」「借主との間にトラブルを起こしたくない」と考えて様々な項目が記載しされています。
・ルールや禁止事項
・短期解約の場合に生じる違約金の支払い
・家賃や更新料の振込手数料の負担
・原状回復費用の範囲
など、生活に直結する内容ばかり。
貸す側の視点に立った条件を把握すると、大きな自己防衛の手段となるでしょう。
借りるときだけではなく、出口を見据えた契約を結ぶことが重要です。
おまけ:”高すぎる”賃貸入居費用を節約する方法
新生活での支出は契約から引っ越し、から多額になりがちです。
しかし、費用を抑える知識があれば、工夫して数万円を節約することができます。
参考まで、私が実践してきた数万円の費用節約手法をご紹介。
引越費用を抑える方法
契約時加入の保険見直し
借家人賠償責任、個人賠償責任補償保険は仲介会社に紹介されて契約時に加入することが多いのですが、内容を詳細に確認してみるとオーバースペックになりがちです。
賃貸借契約書上の補償条件を確認したうえで、契約時から条件に合う格安のネット保険に加入することで費用が大幅に節約できます。
これらの出典。知識と実践は身を助けます。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
誰かの「そうだったのか!」に貢献できれば、幸いです。
全体参考